遺言書は“最後の思いやり”――遺言の必要性とその効能・種類
- 寺島浩幸 特定行政書士
- 18 時間前
- 読了時間: 4分
「うちはもめるほど財産がないから、遺言なんて必要ない」そう考える方は少なくありません。
しかし、実際の相続の現場では、財産の多い・少ないに関係なく、人の気持ちのすれ違いが原因でトラブルになるケースが非常に多く見られます。
遺言書は単なる財産の分け方を記す書類ではなく、残された家族に向けた“最後の思いやり”です。
ここでは、遺言書の必要性とその効能、さらに遺言の種類と特徴を、行政書士の視点から詳しく解説します。
【遺言書が必要とされる3つの理由】
① 相続トラブルを未然に防ぐ法定相続分どおりに分けても、「不公平だ」と感じる相続人が出ることは珍しくありません。遺言書があれば、被相続人の意思を明確に残すことができ、争いの芽を摘むことが可能です。
② 大切な人に確実に財産を遺せる遺言があれば、内縁の配偶者や、長年介護をしてくれた親族、寄付したい団体など、法律上の相続人でない方にも財産を渡すことができます。
③ 手続きが円滑になる遺言書がある場合、家庭裁判所での調停や協議が不要となり、相続手続きの期間・費用・労力が大幅に軽減されます。
【遺言書の種類とそれぞれのメリット・デメリット】
① 自筆証書遺言最も手軽に作成できる形式で、費用もかからず自宅で自由に書けます。ただし、方式不備による無効リスクが高く、専門家のチェックが不可欠です。
☆メリット:費用がかからない、思い立ったときに作成可能
☆デメリット:紛失・改ざんのリスクがあり、家庭裁判所による検認手続が必要
※しかし、「法務局での保管制度」を利用すれば、
紛失や改ざんのリスクが無くなり、家庭裁判所による検認手続も不要となります。
② 公正証書遺言公証人が作成・保管するため、最も確実で法的に安全な遺言書です。
検認手続が不要で、原本も公証役場に保管されるため、安心度は非常に高いといえます。
☆メリット:法的効力が確実、検認不要、紛失・改ざんの心配なし
☆デメリット:費用がかかる、公証人・証人の立会いが必要
行政書士が内容の整理や文案作成をサポートすれば、確実で想いの伝わる遺言書を作ることができます。
③ 秘密証書遺言遺言内容を秘密にしたまま、公証人に「遺言が存在する」ことだけを証明してもらう方式。
ただし、実務上の利用は少なく、本人が書いた遺言の内容が形式不備のリスクが高いため注意が必要です。
☆メリット:内容を誰にも知られずに作成できる
☆デメリット:検認が必要、無効になる可能性がある
【遺言書がもたらす“心理的効能”】
遺言書には法律的な効果だけでなく、精神的な安心感という重要な側面もあります。
・家族にとって「被相続人の想いがわかる」安心感
・本人にとって「これで準備が整った」という心の安定
・生前に内容を共有することで、家族間の不安や誤解の解消
相続は“法”と“感情”の両面から考える必要があります。
遺言書はその両方に対して大きな効果を発揮します。
【特に遺言書を作成しておくべき方】
・子どもがいないご夫婦
・再婚・前妻(夫)の子がいる家庭
・自宅や事業を特定の人に継がせたい方
・相続人同士の関係が良好でない場合
・特定の個人・団体に寄付をしたい方
このようなケースでは、遺言書があるかどうかで、相続の結果が大きく変わります。
【まとめ:遺言は「争族」ではなく「笑顔の相続」への第一歩】
遺言書は、相続の“終わり”ではなく、家族への最後の贈り物です。
「まだ早い」と思っている方こそ、今こそが最も良いタイミングといえます。
専門家の支援を受けながら作成すれば、形式面も法的効力も万全です。
安心できる相続対策の第一歩として、ぜひ遺言書の作成を検討してみてください。
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