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執筆者の写真寺島浩幸 特定行政書士

内容証明(郵便)について知ろう!!(第3回)

更新日:2018年11月3日

【内容証明の書き方(後)】


今回は、内容証明(郵便)の具体的な書き方についての後半です。


6 差出人と受取人の住所・氏名は必ず記載する。

  差出人と受取人の住所・氏名は必要事項です。記載しなければなりません。

  順序はどちらが先でも大丈夫です。

  なお、

  ・相手方が個人である場合は、自宅住所へ、

  ・相手方が法人である場合は、本店所在地に送るのが、原則です。

  差出人の氏名の横に押印するかどうかは、自由です。

  一般的には、押印が必要に思いますが、正式な決まりではありません。


7 手紙以外のものは同封出来ない。

  普通の手紙であれば、資料やコピー、写真などを同封出来ますが、内容証明郵便の場合には、手紙以外のものは同封することが出来ません。

  つまり、

  ○「添付した売掛金計算書の通りです」

  ○「念のため、借用書のコピーを同封致しましたのでご確認下さい」

  などとすることが、内容証明郵便の場合には出来ないのです。

その為、内容証明郵便の場合には、必要に応じて、

  ○「別郵便で売掛金計算書をお送りしましたのでご確認下さい」

  ○「必要があればいつでも借用書のコピーをお送りします」

  などと記載して伝えるのが一般的です。


8 文面の内容(文言)には注意すること

  内容証明郵便は、書いた内容すべてが保存されますから、その言葉使いや内容には十分な注意が必要です

  ついつい感情的になって余計なことまで書いてしまうと、あとで逆手にとられて面倒なことになりかねません。

  特に、こちらの要求に従わない場合に、相手方に不利益があることの伝え方は、慎重になる必要があります。

  たとえば、

  ○「要求に応じない場合は、詐欺で刑事告訴します。」

  ○「要求に応じない場合は、貴殿の勤務先や家族にばらします。」

  ○「要求に応じない場合は、マスコミに情報提供します。」

  などの表現は、強要罪や脅迫罪になり兼ねません。

 十分に注意をしてください。


9 差出人が2名以上の場合

  差出人が複数の場合は、差出人それぞれが内容証明郵便を作成して送達しても構いませんが、同一の文面であれば、「連名」で出せば1回で済み、用紙も節約出来ますし、費用も節約出来ます。

  権利関係も1通ではっきり疎明出来ますし、差出人全員が一意団結している意思も伝わり、効果的です。

  差出人が複数の場合は、差出人(通知人)の欄に住所・氏名をそれぞれが記載します。

  ページの繋ぎ目の契印や訂正印は、差出人全員で押します。

  このときに、配達証明のハガキを受け取る差出人を1人決める必要があります。そして、その人の住所・氏名の前に”(送達先)”と書き加えます。


10 受取人が2名以上の場合

  今度は9と逆で、受取人が複数の場合です。

  もちろん、それぞれの相手に個別に差し出すことも可能ですが、その方法だと、わざわざそれぞれに3通づつ作成して出すことになり、やはり手間も費用もかかってしまいます。

  受取人が違うだけで差し出す内容が同じであれば、1回の内容証明郵便で差し出すことが出来ます。

  これを、「同文内容証明郵便」といい、これには、次の2種類があります。

  ① <完全同文内容証明郵便>

    2名以上の相手に差し出す内容証明郵便で、その文面の内容のみならず、日付や差出人・受取人の記載がすべて同一のものを「完全同文内容証明郵便」といいます。

    9と同様、受取人の住所・氏名が「連記」してあるもののことです。

    この場合には、通常の通数(1人だと3通)に、受取人の数が増えた分だけ通数を増やして作成すればOKです。

   ○2名に差し出す場合→4通

    ○3名に差し出す場合→5通

   ○4名に差し出す場合→6通


  ② <不完全同文内容証明郵便>

    「不完全同文内容証明郵便」とは、①と異なり、受取人を連記せず、受取人の住所・氏名のみ個別に一人一人書いて作成する方法です。

    違うのは「受取人の記載が連記していないことだけ」で、日付や文面の内容は同一でなければなりません。

    作成する通数は、①と同様、通常の通数(1人だと3通)に受取人の数が増えた分だけ足した通数を作成するのですが、注意しなければならない点があります。

    郵便局が保管する分と差出人が保管する分の計2部だけは受取人全員が連記してなければなりません。

   ○つまり、たとえば、

    受取人が3名の場合、合計は5通となります。

    その内訳は、

     ・2通は受取人全員が連記しているもの(郵便局と差出人の分)

     ・残り3通はそれぞれ別に受取人の住所・氏名が記載されているもの (それぞれの受取人用)

    というようになります。


11 封筒の書き方

  封筒の種類やサイズに制限はありません。普通の封筒で構いません。

  封筒の表に受取人の住所・氏名を記載します。

  封筒の裏、または、下に差出人の住所・氏名を記載します。

  このときに、内容証明の本体の「通知人」欄と「被通知人」欄の記載と同じように記載する必要があります。

  複数の相手に差し出す場合には、封筒は受取人1人1人それぞれの住所・氏名を書いた封筒を各々つくります。1枚の封筒に受取人全員を連記するのではありません。間違えないようにしましょう。(10の場合と異なるので注意が必要です。)

  封筒は、すべて封をしないで郵便局に提出して下さい。


つづく


第4回(最終回)は ⇒ https://ameblo.jp/terashimasolicitor/entry-12282502598.html?frm=theme


ご相談は、初回無料。2回目以降は3000円/30分。

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